デュタステリド
要約
- AGAの原因となるジヒドロテストステロンの発生を抑制
- フィナステリドと比べて、脱毛抑制効果が大きいとされている。要はフィナステリドの強化版 ただし、発毛効果はあまり期待できない。
- ジェネリックあり、30錠6,000円程度で購入可能
概要
5αリダクターゼとテストステロンの結合を阻害し、AGAの原因となるジヒドロテストステロンの発生を抑制する。 作用秩序や効能についてはフィナステリドとよく似ているため、そちらも参照。
臨床結果から、デュタステリドはフィナステリドよりも効果が強いとされている。 関連する性質の違いは、次の通りである。
- I型5αリダクターゼへの作用
- 5αリダクターゼにはI型とII型が存在する。
- フィナステリドが頭皮に分布するII型のみを抑制するのに対して、デュタステリドの場合はI型とII型の両方を抑制する。
- 半減期
日本では2015年8月にAGA治療薬として承認され、"ザガーロ"の名で販売・処方されている1。 2020年6月頃からジェネリック製品も発売されているため、手頃な価格で入手可能になった。
AGA治療薬として世界的に用いられているフィナステリドに対し、2022年時点でAGA治療薬として認可されているのは日本と韓国のみである。 有効成分デュタステリドについては、前立腺がん治療薬として世界各国で使用されている。
効果
幾つかの先行研究で、フィナステリドよりも効果が大きいことが示されている()。 一方で、性欲減退をはじめとする副作用の頻度もフィナステリドより高い。
(工事中)
種類
会社
先発薬を開発したGSK(グラクソ・スミスクライン)のほか、後発に沢井、トーワなど。
容量
0.1mg錠と0.5mg錠があるが、基本的に0.5mg錠でよいと思われる。筆者は0.1mgの取り扱いを見たことがない。
服用
1日1回、毎日同じタイミングであればいつ飲んでもよい。
注意
以下のいずれかに該当する場合、処方不可:
- 20歳未満
- 女性
- AGA以外の脱毛症
また、服用中や服用後は次の点に注意が必要である。
- 子作り中は休薬期間を設けることが望ましいとされている(データ上は影響がない)
- 服用中止後6か月間は献血不可
購入方法
先発品は1万円/月程度でやや値が張るが、ジェネリック製品であれば6,000円/30錠程度で購入可能。 皮膚科やAGAクリニックで処方される。
クリニックによっては、"ザガーロ"や後発のジェネリック製品以外に、前立腺がん治療薬である"アボルブ"をAGA治療用に処方している場合がある。 有効成分は同一であるため同様の効果が期待できるが、アボルブをAGA治療用途で使用した場合、国内正規品であった場合でも医薬品副作用被害救済制度の対象外となるため注意が必要である。